金利の自由化

2022.9.20

朝邉博史

円安の進行が止まらない。本稿で何度も述べているが、原因は、欧米が物価上昇を止めようとして金利を引き上げているのに対し、日銀が、金融緩和策を維持しているからである。

不思議である。欧米が金利を上げ続けているのに、対前年比物価上昇率が2桁前後に迫らんとしているのに対し、本日、日本政府の発表した対前年比物価上昇率が2.8%である。国民の生活実感とあまりにかけ離れている。

日本政府の借金が雪だるま式に増えないよう忖度して日銀がマイナス金利政策を維持していることを、下支えするような数字である。

地銀、メガバンクを含めた多くの金融機関は、株価でみると、純資産倍率が0.3から0.5程度のものが多く、配当も5%前後のところが多い。まさに好決算、高内部留保企業である。国民に支払われるべき利息をため込んでいるようにも見える。

役所がらみで低金利を維持しなくても金利の自由化を進めてはどうだろうか。一般企業と同じように、金融自由化のなかで、自由競争をしていけばよいと思う。