円安は国力の低下

2022.1. 24

朝邉博史

本日(1/24)のNHK朝のニュースの中で、「外国人IT技術者の賃金が高騰して、人材確保が困難」と報道されていた。また、3日前(1/21)の日経新聞では、「円の実質実効レートは95年をピークに50%強低下し、円の実力は50年前並み」と報道されている。GDP世界3位の国とも思えない。

以前の論考で、「円安は、国民の財産が世界の中で相対的に目減りし、日本の国土の価値(不動産価格)が目減りしている」と述べたことがあります。原因は、日銀のゼロ金利・マイナス金利による円安誘導です。世界の為替レートの中で、ゼロ金利の円が買われることはなく円安に誘導されているのです。

日銀のゼロ金利マイナス金利の背景には、1200兆円を超える国債・地方債の発行残高が雪だるま式に増えないようにする忖度も働いています。日本政府の借金が増え続ける原因は、政権与党と公務員が一体となって「大きな政府」を指向しているからです。

目先の経済対策・コロナ対策をしても、根本的な解決を指向しない限り、円安は進み、日本の国力は低下し、国民の財産は目減りしていくのです。関心のある方は、私の論考「円安の弊害と対策(1)~(3)」をお読みください。