台湾を「一つの中国」と主張する間違い

2021.12.28

朝邉博史

以前の論考で、「中国は台湾を「一つの中国」と主張するが、台湾という国は、物理的にも政治的にも経済的にも、歴史上中国であったことは一度もない。全く別の国として存在し、発展してきているのである。」と述べたことがあります。

習近平主席は、台湾問題について、「一つの中国」「台湾はもともと中国に属している」と主張するが、それは真実ではありません。

先の戦争が終わるまでは、台湾は、日本領でした。日本は第二次世界大戦で負けた時、多くの植民地を手放し、それで台湾は独立できたのです。彼らは、日本から独立したのであって、共産党の支配する中国( 中華人民共和国 )から独立したのではありません。

中華民国(台湾)は、当初、少なくとも1945年には中国全土を領土としていましたが、4年後の1949年に毛沢東の軍事革命によって、中国共産党は、中華民国の領土を奪ったのです。ですから、領土を奪われたのは、中華民国(台湾)の方なのであって、中国が台湾を自分のものとする正当性は全くないのです。

中国が台湾から奪った領土を返還して、人権を抑圧して報道の自由も許さない共産党独裁の全体主義国家を、自由で開かれた民主主義国家に改めることこそが筋なのです。

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